フランス・パリ探鳥記 (1992.5.10~17)



(1)ブーローニュの森、(2)バンセンヌの森、(3)ベルサイユ宮殿の庭園(森)

 花の都パリという言葉のとおり、5月中旬のパリは木や草が一斉に花を咲かせていました。特に有名なマロニエは街路樹や周囲の森に大木が沢山あり、全部が満開でとてもきれいでした。ただ、大きな葉がすでに沢山ついており、近くで見ると葉に隠れて花はあまり目立ちません。遠くから見たほうがきれいです。

 街で見かけた鳥は、イエスズメ、ホシムクドリ、カワラバトと、ここまでは米国と同じです。キョロンキョロンといい声で鳴いているのはクロウタドリでした。首に白い斑があるモリバト (Wood Pigeon) がたくさんいます。このハトは飛んでいるときに羽に体軸と平行な白い線が目立ちます。なんとシラコバトとカササギを街の中の公園で見かけました。

 パリの街の東西にあるブーローニュ、バンセンヌの森と、少し郊外のベルサイユ宮殿の庭園(森)で探鳥しました。よく鳴いていたのは、全身灰色で頭の上に黒いベレー帽といった感じのズグロムシクイ (Blackcap) がチューチュルチュイル、頭からうなじが灰色で顔が茶色のアトリの仲間のズアオアトリ (Chaffinch) がツイツイツイ、ツーチュチュリリ、胸に斑点があるウタツグミ (Song Thrush) がツピーツピーチュルリーと鳴き、ウグイスの仲間のチフチャフ (Chiffchaff) がチュッチッチョッ、チュッチッチョッと2〜3声/秒で規則的にリズムを刻みます。シジュウカラは腹が少し黄色っぽくヒータタヒータタヒーという感じで少し鳴き声が違います。黄色いマヒワのようなセリン (Serin) はメジロのようにさえずり、カヤクグリに似たヨーロッパカヤクグリ (Dunnock) はヒバリのようにさえずっていました。

 池ではマガモとバンが子供連れでいました。ハクセキレイは過眼線が全くなく背中がグレーのタイリクハクセキレイといわれる亜種でした。ヨーロッパコマドリ (Robin) は地上採餌しているのを何度も見かけました。ほんとに可愛いですね。腹に黒いところがないので、日本のコマドリと種類が違います。従って、ヒンカラララ・・・の鳴き声は聞かれませんでした。ツバメ、イワツバメは日本と同じ種類がたくさん飛んでおり、ベルサイユ宮殿の彫刻に沢山巣を作っていました。

 他に面白かったのは、顔がくちばしの方から縦に赤、白、黒に塗り分けられたカワラヒワの仲間のゴシキヒワ (Goldfinch) を見ました。まるでフランス国旗のようです。ジョウビタキを真っ黒にした感じのクロジョウビタキ (Black Redstart) 、カワラヒワに似たアオカワラヒワ (European Greenfinch) 、その他アカゲラ、キバシリ、ニシコクマルガラス等も見かけました。ウソはおなかが真っ赤なベニバラウソであり、ゴジュウカラは胸が全体に褐色がかっていました。アオガラ (Blue Tit) という小さなカラ類は頭と背が青く、腹が黄色い可愛い鳥でした。森ではなつかしいほくろのあるスズメも見かけました。カッコーの声は少し濁った感じでしたが、個体差でしょうか。チョウゲンボウが飛ぶのも見かけました。

 鳴き声だけでは全く何の鳥かわからないので、森での探鳥は大変です。しかし、初めての外国の土地での探鳥は、見るもの聞くもの、初めてのものが多く、鳥見を始めたころのワクワクする気分を味わえて、大変幸せな気分になりました。ただ、残念だったのは、森の中の道路にも自動車がたくさん走っており、騒音と排気ガスの臭いに悩まされ。たことですフランスでは日本より排気ガスの規制がゆるいようなので、自動車が環境に与える悪影響を実感できたわけです。


野鳥を守るのページへ
copyright (c) 2016
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送