米国探鳥の記 その4(1992.11.4〜8)



(1)ロサンゼルス空港、(2)トーランス(Torrance)、(3)レドンドビーチ (Redondo Beach) 、(4)パロスベルデス半島 (Rancho Palos Verdes)

【レドンドビーチ (Redondo Beach)】
 今回は秋の西海岸の旅となった。日本は寒かったが、6年ぶりのロサンゼルスはかなり暖かく、昼間は上着が不要で半袖でもいいくらいでした。ロサンゼルスの南のトーランス(Torrance) に宿をとり、午前中に到着したのでさっそく海岸に向かいました。エコノミークラスのチケットでビジネスシートに座れるという今年2度目の幸運により元気いっぱいでした。通りにはストレチアの花が沢山咲いていました。着いた海岸はレドンドビーチ (Redondo Beach) といい、泳いでいる人がいました。公園があり、ジロジロという鳴き声の主を探すとアンナハチドリ (Anna's Hummingbird) でした。下から見上げたのでくちばしの付近が真っ黒に見えましたが、ときどき首を動かしたときにルビー色に輝いて見えました。

 海岸ではくちばしだけ赤くて他はほとんど真っ黒なカモメが沢山いました。これはオグロカモメ (Heermann's Gull) であり、西海岸に全面的に分布していることになっていますが、サンフランシスコでは見たことがなく、今回が初見でした。カモメの中で最も見分けが易しいと図鑑に書いてありますが、全くその通りです。体は黒褐色で足が水かきも含めて真っ黒で、成鳥はくちばしが赤いので一目でそれとわかります。カモメ類の幼鳥の見分けはあきらめたので、他にはアメリカオオセグロカモメ (Western Gull) しかわかりませんでした。これは、羽の色がオオセグロカモメより若干薄いようでした。

 砂浜の波打ち際では30羽以上のミユビシギ (Snderling) が波に合わせていそがし気に砂の上を走り回っており採餌に余念がありませんでした。ずっと見ていても飽きることがありません。これを見ていると、イソシギのような真っ黒なシギが目に入りました。パッと飛んだ時に羽に白い模様がきれいに入っており、クロキョウジョシギ (Black Turnstone) だと分かりました。これはキョウジョシギの茶色い部分を真っ黒にしたものです。他にダイゼンが1羽ぽつんとたたずんでいました。

 岸の近くの海上でカモメ類が集まって騒いでいるので何かと思ってよく見たら、ハシグロアビ (Common Loon) が魚を取って浮上し、魚をくわえており、それをカモメ達がねらって騒いでいました。結局、ハシグロアビは魚を取られてしまいました。その後、ハシグロアビは水面に浮いたまま顔だけを水につけて魚を探し、少し潜って魚を取っているようでした。

【パロスベルデス半島 (Rancho Palos Verdes)】
 6日には無事に仕事が昼過ぎに終わったので、Kenがドライブに連れて行ってくれました。少し南のパロスベルデス半島 (Rancho Palos Verdes) まで行きました。半島の先に展望台があり、そこでは12月から4月にかけてクジラを見ることができるそうでした。また、その付近でトラフズク (Long-eared Owl) が棲息しているそうで、剥製が展示してありました。小高いところの独立した木の上にタカの巣らしきものがあり、その周りをタカがときどきとんでいるのが見られました。おそらくアカオノスリ (Red-tailed Hawk) ではないかと思いました。

 展望台を出るといろんな鳥の声が聞こえるので少し探してみると、近くの木にクロツキヒメハエトリ (Black-Phoebe) がいました。これは腹だけ白くて他は真っ黒なフライキャッチャーです。Kenは私の鳥好きを知っているので一緒に探してくれた。彼に教えてもらった方を見ると小型のモッキンバードの様なブユムシクイ (Blue-grey Gnatcatcher) がいました。尾が長くて黒いのが特徴です。初めはこの鳥の名前がわからなかったので、Kenは「君へのアクションアイテムが出来た、Due Dateは20 Warking Daysだ」なんて、いつもこちらが言っているせりふで冗談を言ってました。この半島は断崖になっており、カッショクペリカン (Brown Pelican) 、オグロカモメ (Heermann's Gull) 、アメリカオオセグロカモメ (Western Gull) がたくさん飛んでいました。

【トーランス(Torrance)】
 7日、一度早起きをと思い6時半に起きてホテルのあるトーランス(Torrance) を散歩しました。昨夜は5時には日が降りましたが、この時間でようやく日が昇ったばかりです。ホテルの付近は住宅街ですが、土曜日なのでひっそりとしていました。マネシツグミ (Northern Mockingbird) がいましたが、いい声で鳴いてはくれませんでした。西海岸で見られるアメリカカケス (Scrub Jay) 、テリムクドリモドキ (Brewer's Blackbird) がいます。ホシムクドリが集まって騒いでいますが、ムクドリよりいい声をしています。アメリカガラス (American Crow) 、イエスズメ、ナゲキバト (Mourning Dove) 、メキシコマシコ (House Finch) も沢山いますが、さえずらないので少し寂しい感じです。ブンブンとアンナハチドリ (Anna's Hummingbird) も飛び回っていました。カノコバト (Spotted Dove) を初めて見ましたが、ロサンゼルスに移入され、この付近で広まりつつあるとのことでした。

 通りによって街路樹が異なっており、プラタナスのところや、ドングリを沢山つけたシイの仲間?の木、花をつけたタイサンボク等がありました。荒れ地にはオオアレチノギクがありました。雨が少ないせいか、散水をしている芝生はきれいですが、野草はほとんど見られなかったのが残念でした。


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