米国探鳥の記(1991.6.9〜16)


 6月中旬に、米国のボストンでの学会に参加するついでに東海岸のボストン周辺と、帰り道に立ち寄った西海岸のサンフランシスコで鳥を見ました。

 東西海岸で共通に多く見られたのは、町中ではカワラバト、ホシムクドリ、イエスズメ。少し樹木があるところではアカハラに似たコマツグミ (American Robin) とメキシコマシコ (House Finch)、トレモロが上手でスズメに似たウタスズメ (Song Sparrow)。水辺ではウの仲間ミミヒメウ (Double-Crested Cormorant) とマガモ。ツバメはミドリツバメ (Tree Sparrow) が共通して見られました。


(1)ボストン、(2)グレートメドー野生生物保護区、(3)コンコード、(4)ワイオミングヒル

【東海岸 ボストン】
 ボストンでは野球場があるファンウエイパーク(Fenway Park) で鳥を探しました。そこは市民が思い思いに区画を仕切って花壇を作っており、多数の鳥がいました。黄色いオウゴンヒワ (American Goldfinch)、赤いメキシコマシコ (House Finch)、オレンジ色のボルチモアムクドリモドキ (Northern Oriole)、青いアオカケス (Blue Jay)、肩だけ赤くて他は真っ黒なハゴロモガラス (Red-Winged Blackbird) など、色とりどりの鳥が町中の公園で飛んでいました。ウタスズメやコマツグミ、マネシツグミ (Northern Mockingbird)、ネコマネドリ (Gray Catbird) などがいい声で鳴いていました。

 少し南に行った大きな池では、カナダガン (Canada Goose) が子育て。港ではクロワカモメ (Ring-Billed Gull) がいました。これはウミネコに似ているのですが、目が黒いのでかわいく見えました。

【東海岸 グレートメドー野生生物保護区】
 野生生物保護区は米国内務省の管轄で、日本では野鳥の会が細々と作っているサンクチュアリの規模を大きくしたようなものです。この様な保護区が米国内に渡りのルート沿いに450以上あり、総面積36万km^2に及ぶそうです。

 場所は若草物語の舞台になったコンコード (Concord) にあり、Fichburg Lineのコンコード駅から40分ほど歩きました。大きな池には多数のカナダガンがおり、背中を青や緑にきらめかせてミドリツバメ (Tree Swallow) が飛び回っていました。ガマの草むらではハシナガヌマミソサザイ (Marsh Wren) がトレモロを響かせ、周囲の林ではキイロアメリカムシクイ (Yellow Warbler)、カオグロアメリカムシクイ (Common Yellow Throat) などの黄色い鳥がにぎやかにさえずっています。このカオグロアメリカムシクイは目の周りがたれ目状に黒くなっておりとても可愛い鳥です。
 (2017年3月にカオグロアメリカムシクイが日本に出現し、その際に撮影された画像を鳥友のNさんからいただいたので参考資料として掲載します。)

 林の中ではヒガラに似たアメリカコガラ (Black-Capped Chikadee) や冠羽があるエボシガラ (Tufted Titmouse) が元気に枝移りしていました。

 コンコードの町の家には暖炉の煙突がついており、エントツアマツバメ (Chimney Swift) がたくさん飛んでいました。

【東海岸 ワイオミングヒル】
 ワイオミングヒルはボストンから北へHaverhill Lineの列車で15分ほどの駅です。駅から西に少し行くと、水源池のまわりに広い保存林がひろがっています。
 黒い頭で脇が茶色のワキアカトウヒチョウ (Rufous-Sided Towhee) があちこちでさえずっており、真っ赤なショウジョウコウカンチョウ (Northern Cardinal) も。ショウジョウコウカンチョウは大リーグのカーディナルスのシンボルです。林の中の小さな池には一面に水連が咲いており、アメリカヤマセミ (Belted Kingfisher) が。

 丘の頂上から見渡すと、アカオノスリ (Red-Tailed Hawk) が悠然と輪をかいており、カタアカノスリ (Red-Shouldered Hawk) も見られました。

 林の中ではハシボソキツツキ (Commn Flicker) やセジロコゲラ (Downy Woodpecker)が木をつついていました。ボルチモアムクドリモドキの子育てや。キレンジャクに似たヒメレンジャク (Cedar Waxwing) もたくさん見られました。


(1)金門橋公園、(2)金門橋周辺の海岸沿い、(3)エンジェルアイランド

【西海岸 サンフランシスコ】
 西海岸のサンフランシスコに来ると、東海岸で見られたハゴロモガラス (Red-Winged Blackbird) とオオクロムクドリモドキ (Common Grackle) が姿を消し、これに似たテリムクドリモドキ (Brewer's Blackbird) がたくさんいました。

 金門橋公園と金門橋周辺の海岸沿いには、腰が白くくびれた感じに見えるスミレミドリツバメ (Violet Green Swallow) が飛んでおり、芝生の上にはフタオビチドリ (Killdeer) が。海辺で飛んでいるのはカリフォルニアカモメ (California Gull) やアメリカオオセグロカモメ (Western Gull) 。林の中ではエナガかと思ったヤブガラ (Bushtiti) が動きまわり、アンナハチドリ (Anna's Hummingbird) も飛んでいました。大きな木の幹をかけまわっているのは、ゴジュウカラを小さくしたヒメゴジュウカラ (Pygmy Nuthatch) や、小型のアメリカキバシリ (Brown Creeper) 。方言の研究で有名なミヤマシトド (White-crowned Sparrow) があちこちでさえずっています。

【西海岸 エンジェルアイランド】
 エンジェルアイランドはサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフから船で40分くらいのところにある湾内の島です。

 水面ぎりぎりにカッショクペリカン (Brown Pelican) が悠然と飛び、山頂ではヒメコンドル (Turkey Vulture) がチュウヒの形で輪をかいてました。

 海岸ではサンショクツバメ (Cliff Swallow) が巣を作っており、オニアジサシも飛んでいました。

 林の中ではジェイジェイとアメリカカケス (Scrub Jay) が騒いでおり、黒覆面のユキヒメドリ (Dark-Eyed Junco) やワキアカトウヒチョウ (Rufous-Sided Towhee) 、メキシコマシコ (House Finch) がさえずってました。


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